ターキッシュ風味の街


曜日の午前中は「爆音タイム」があります。上の階の住人がターキッシュミュージック<*1>をかけるのです。先週も同じ具合だったので、きっと定例なのでしょう。
 まだ彼らをお見かけしたことはないのですが、たぶんトルコ人一家。そして、どうも小さい子がいる家庭のよう。やんちゃに走り回っている足音、それを怒っているお父さんの声がよく聞こえてきます。Olliは「うるさかったら注意しに行くからね」と言ってくれますが、彼らの声も聞き慣れない音楽も全て私には楽しく感じられるので「大丈夫!」と返しています。ただ、天井を破って小さい子が落ちてくるかも!?と思ってしまうほど迫力あるダイブの音が響くこともあって、そんな時は思わず頭上を見上げてしまいます。

 ベルリンは人種の坩堝(おかげで日本と同じくらい、いろんな国の料理が食べられるという利点があります)。なかでも、私が暮らしているクロイツベルクは、トルコからの移民が多く住んでいることで知られている地域です。なぜそうなのかというと、そこにはやはり第二次世界大戦の影響が。当時の西ドイツが戦後復興のために、海外からの出稼ぎ労働者の受け入れを始めたことで、この辺りにトルコ人が多く住むようになったそうです。
 街を歩くとドイツ人と半々ぐらいの割合(私調べ)で、ムスリムの人たち<*2>とすれ違います。女性はみんなスカーフを被っていて美人(に見える)。ベルリン中にあるマクドナルドもバーガーキングも、ここクロイツベルクではとんと見かけません<*3>。でも、ケバブ屋は100mごとにあるんじゃないかと思うぐらい、そこここに点在しています。水パイプを置いたカフェや、トルコ風呂“ハマム”の人気店などもあります。戦火を逃れた重厚なヨーロピアンの街並に漂うオリエンタルな香り。クロイツベルクはベルリンの持つ多様性を体感するにはもってこいの、魅力溢れる街なのです。

 昨日は、近所の川沿いで火曜日と金曜日に開かれる“ターキッシュマーケット”に出掛けてきました。前日に偶然通りかかったHackescher Markt(ハッケシャー・マルクト)駅のマーケットで、ヨーロッパの松茸“ポルチーニ”が売られているのをチェックしていたので、あったら買おう!と期待して出掛けたのですが、残念ながらポルチーニは見当たらず。でも、やっぱり市をそぞろ歩くのは楽しい!<*4>
 ターキッシュマーケットは日用品や食品を扱うお店が多くて、わりと実用的な買い物向き。観光客の姿はほとんどなく、生活者・ご近所さんが中心です。オリエンタルダンス(ベリーダンス)の衣裳やカラフルなスカーフ、匂いのきつい香辛料などターキッシュなかんじがプンプン出ていますが、一方で、フランス国旗を掲げた可愛いらしいスープ屋さんやドイツの市でよく見かけるレースやラベンダーのポプリを売る屋台なども出ていて、見飽きることがありません。私は魚屋さんで鮮魚を物色。ベルリンでは普通のスーパーに鮮魚が売られていることはまずなく、手に入る海のものといえば、ボイルした海老とかスモークサーモン、酢漬けニシンぐらい。でも、市には必ず魚屋さんが来ているのです♪そんなに種類が豊富とはいきませんが、それでも新鮮な魚が手に入るので貴重です。
 この日はあいにく天気がよくなかったので長居はしなかったのですが、それでも鮭の切り身をゲットして、その後、八百屋さんで白菜も発見し、なんだか見慣れた野菜にほっとして思わず購入してしまいました。

 白菜どうしよう。と思ったあげく「鮭のクリーム煮」に加えました。味は、まぁまぁ。大きすぎる魚の臭みを抜くのに苦心しました。


<*1> 慣れてきてこっちもノリノリ!よしサビ?!というタイミングで突然終わる曲ばっかり・・・。そういうもんなんでしょうか。なんか不完全燃焼。ターキッシュミュージックの楽しみ方を知りたいです。
<*2> 全員トルコ人というわけでもなさそうです。難しい。その違いはインビス(軽食店)にはっきり現れています。これももうちょっと慣れたらレポートします。
<*3> マクドナルドは1店舗だけあるらしいです。
<*4> 翌日別のマーケットでゲット☆フォトライフにアップしています。