衝撃のインスタレーション


だちの展示会に行ったのに、彼らのことではないのですが(まじすんまへん。また今度。)なんかすごいのを観てきました!観るというよりも観ちゃう・・・観ちゃってるんだけど、観られてるのかも!?という、実に摩訶不思議な展示です。
 上の写真がそうなのですが、これだけだと別に変わったところはありません(よね?)。まぁ、ちょっと(ん?もしかして床に寝てる?)と思う人がいるかもしれませんが、ぼくちゃんは寝息が聞こえてきそうなぐらいすやすやと寝ているし、お父さんもごろんとしていて寛いでいます。「家族」の雰囲気がぷんぷん醸し出ています。そう、この方たちはれっきとしたご家族。いいですね、いかにも仲が良さそうなかんじ。では、別の写真に。視野をぐっと引いてみましょう。

 はい。なんだかシンプル・・・彼ら(Fabricio、Krithika、Rabe 、Raiz Akash)が寛いでいたのは実はこんなスペースなんです。ここはベルリンのギャラリーWaschhaus。会期中、家族はココを住まい(庭付き)として生活すると同時に、この空間を作品として展示しているのです。リアル家族展示のインスタレーション!ここでお姉ちゃんはわがままを言って泣き、弟はよだれを垂らしながらよちよち歩き回っています。お父さんは来るお客さんたちと話をして・・・たぶん、時々は出掛けていて不在なのでしょう。究極にインタラクティブかつ常に変化する作品。そりゃあもう目が離せるはずもなく、ついつい気になって彼らの様子を探り観ちゃうかんじです。
 聞けば、彼らは年がら年中こうして展示(旅?!)をして回っているのだとか<*1>。お父さんは、以前はビジネスマンで、日本にも仕事で来たことがあるそうな。こんなかんじでどうやって生活してるの?これから彼らはどうなるの?あまりに不思議すぎて沸々と疑問が湧いてきますが、実際に彼らを目前にするとそんな疑問なんてどうでもいいようなことに思えます。圧倒的なリアル。衝撃的でした。観たというより体験したという方が的確かもしれません(実際、だいぶ長い間お姉ちゃんに捕まってあれやこれやと命令に従っていました)。

テントは家族の「庭」。その裏側には、様々な布とはさみが用意されています。ギャラリーを訪れた人は、はさみで自由に型とった布を張り加えることができます。

どこであろうと家族が一緒である以上、彼らにとってはそこで過ごす日々が日常なのかもしれません。一緒に布を貼ったり、触れ合ったりすることで彼らの日常に取り込まれて行くような感覚がありました。う〜ん不思議体験。
 オープニングだったのでお菓子や飲み物も用意されていて、うろうろしたり座り込んだりを繰り返しながらしばらくギャラリーに居たのですが、最終的には一家が眠たくなったのでおひらきに・・・こちらの視線はおかまいなしに生活し続ける彼らを据えてビールを飲みながら、今この瞬間「実はこっちが観られてる側なのかもしれないね」とヒソヒソ呟き合ったのでした。

<*1> この後は、トルコへ移動するそうです。いつか、日本にも来るかもしれません。