小春日和の昼下がり


んだ青空に映える黄色い外観が、ベルリングレーに慣れた眼にはひときわ眩しい・・・「大きなテント小屋のよう」と称されるこの建物、世界屈指の音響設備を誇るベルリン・フィルハーモニーのコンサートホールです。これまで外からしか観ることがなかったかの地に私、先日とうとう足を踏み入れてきました。と言っても、堅苦しいかんじはゼロ!なんと、小ホールで無料のコンサートが開かれたのです。普段から、建物の見学会やロビーでの定期演奏会“Lunchkonzert”など、音楽を身近に感じられる企画を実施しているベルリンフィル。なんちゅう深い懐なんじゃぁ。
 この日は、ベルリンフィル在籍のトロンボーン奏者Stefan Schulz(シュテファン・シュルツさん)のミニリサイタルでした。バストロンボーン、ピアノ(伴奏は日本人の沢野さん)でのソナタや、パーカッション、ヴァイオリンが加わったアンサンブルなど“ミニ”と言えど、何もかもが立派。1時間ほどの演奏の後、鳴り止まない拍手に応えてアンコールまでありました。平日の午後に音楽を聴きに来れる人たちってどういう人なのかなぁ〜と、私はお客さん側にも興味があって周囲の鑑賞も一緒にしていましたが、若い人の姿はあまりなく(笑)ゆったりと演奏を楽しみに来たかんじの人たちが多かったです。
 演奏の余韻がすっかり消えるまでシンと耳を傾けたり、音と音の間の真空を堪能するのは、設備が整ったコンサートホールならでは。ゆっくりと消えていく音を感じて・・・すっと息を吸い込んで、一斉にみんなで拍手をする瞬間が私はとっても好きです。
 この日の演奏は、後日CDになるとのこと。私の拍手も入っているかな?

クロークにデジカメまで預けてしまって、ホールの中の写真が撮れませんでした。あはは。(でも、きっと中は撮影禁止でしょうなぁ)       ホール内の印象が、日本の赤坂にある“サントリーホール”「に」似ているなぁと一瞬思ったのですが、逆ですね。サントリーホール「が」ベルリンフィルに似ているのでした<*1>。しかし、ロビーもとっても素敵。照明も、色ガラスが並んだ窓も。内装の調和が見事です。

 先週は、なにかと縁のある方たちのエキシビションが続き、出かけて行くことが多い一週間でした。エキシビションにはコンサートが付いているのが常。ギャラリーで聴くヴァイオリンの演奏や電子音楽のライブもとても楽しいものです。“生演奏”に触れる機会が日常的にあるのは、ベルリンらしいことかもしれないと思います。それに、日本では敷居が高くて足踏みしてしまうオーケストラやオペラに、わりと気軽に出かけられるのも醍醐味☆   もうちょっと大人になったら・・・いい席で観てみたいですが、まだまだ安い当日券狙いで充分!ベルリンフィルのコンサートホールは大(2218席)と小(1150席)のふたつ。今月は小澤征爾さん指揮の日もあるし、次回は大ホールでオーケストラを鑑賞したいと思います。

<*1> というのも、サントリーホールの監修をしたのが、長年ベルリンフィルでタクトを振るった伝説的マエストロ、カラヤンだったのでした。私はサントリーホールで、来日したサイモン・ラトル指揮のベルリンフィルを聴いたことがあるのですが(!)あの時の・・・安眠は素晴らしかった!(笑