ビビデ・バビデ・ブゥ!


かふかの座席に腰をうずめ、荘厳なシャンデリアを見上げて思わずため息。客席のざわめきと、開演まで練習に余念がないオーケストラの音色が心地よく混ざって耳に届きます。前には金髪のプリンス↓の姿。あら、私って極東の庶民だったはずだけど、本当は貴族のお姫様だったんだわ!    ・・・さぁ、ここはどこでしょう。
正解はStaatsoper Unter den Lindenベルリン国立歌劇場)です。 えぇ、そうですの。ちょっと行ってきましたの。バレエを観に。おほほほ。

 ドイツ最大規模のバレエ団、ベルリン国立バレエ団。現在、世界最高のプリンスであるVladimir Malakhov(ウラジーミル・マラーホフ<*1>が芸術監督に就任しています。この日の演目は「Cinderella」。マラーホフ版の「Cinderella」は、カボチャの馬車が出てくる慣れ親しんだクラシックな物語ではなくて、とってもモダンな設定。新人バレリーナが成功を掴むまでのシンデレラストーリーを描いています。すごくメリハリのある内容なので、うっとりと優雅に鑑賞するところと、ぷぷっと思わず吹き出してしまうところがはっきりしていて、バレエのことをよく知らない私でも、とても楽しめました。特に、新人バレリーナをいじめる2人のお姉さん(うち1人はマラーホフ!)が、嫉妬心丸出しの女性をユーモアたっぷり&キュートに演じる姿に魅せられました。

 そして、幕が開いてから知って驚いたのですが、主役のシンデレラを踊るのが日本人女性でした。彼女の名前は中村祥子さん。ヨーロッパを拠点に活動し、去年の秋から同バレエ団のプリンシパルに昇格した彼女。なんと、私と同い年(28歳!)わー。過去には、大けがで所属のバレエ団から契約を打ち切られた経験などもあったのだとか。うぅ。諦めず努力して自分に挑戦し続ける姿勢、そして、プリンシパルにまでのぼりつめる力強さ、本当に素晴らしいと思います(涙)。ピュアに愛らしく、舞台の上で舞い続けるシンデレラってまさに彼女そのものじゃないか!

 途中、休憩を挟みながらのあっという間の2時間。終演と同時に、きらびやかな夜を過ごしていた私の魔法も溶けてしまいました。名残惜しく、また足を踏み入れる日を夢みて・・・あぁ、もう一度、ビビデ・バビデ・ブゥ!

☆無料動画配信 You Tube でいくつか見つけました。興味のある方はご覧になってみてください☆中村祥子さんについて(ドイツ語)

↓Cinderella (もうひとりのプリンシパルPolina Semionovaが踊っています。カメラが映してる部分しかみれないのは残念ですが、替わりにアップの表情とかが観れて面白いです。可愛い衣裳やモダンな舞台演出だけでも一見の価値あり!ハイヒールで踊っていたりしてびっくりします)

<*1>  ウラジーミル・マラーホフ・・・(実際すごい人ですが)ウェブサイトが、かなりナルシストで笑えます。チェキラ。