もうひとつのベルリン動物園


こしばらくは、日本から来たフォトグラファーのS子さんと一緒にベルリンを観光していました。ギャラリーを巡ったり、ショッピングに行ったり、カーニバル<*1>で踊ったり・・・いつの間にかベルリンの街をガイド出来るようになってて自分でもびっくり(笑
 案内という大義名分を得て、普段は入店を控えている(欲しいものばかりなので)可愛いお店にもガンガン入っていけて楽しかったです。ベルリンのおしゃれ地区の威力はすさまじく、日本では買い物をあんまりしないというS子さんもすっかり魅了されてしまって、1日で全身コーディネイトを完成させていました。キャー!

 そんなS子さんは動物園が好き。これまでは、いつもZoologischer Garten Berlin(ベルリン動物園)で撮影する為だけにベルリンに来ていたという強者(?)です。ならばご存知かしらと「もうひとつベルリンに動物園があるって知ってますかぁ?」と問うてみたところ、「えぇえええ!!!知らない!行きたい!」と即答。そんなわけで、お弁当作って“東のベルリン動物園”に出かけて来ました。
 “東のベルリン動物園”と書きましたが、正式名称は”Tierpark(ティアパルク:動物公園)”。分断時代の東ベルリンの動物園だったところで、市内からUバーンで東に30分ぐらいいったところにあります。ものすご〜〜〜く広大で本当にサファリパークの様な場所です。ガイドブックなどでは見かけないので、ベルリナーじゃないと知らないんじゃないかなぁ。私はOlliやスイス人B君からお勧スポットとして教えてもらいました。

 いやしかし・・・Olliから「旧東にはバナナが無かったから(真偽は謎)、ゴリラがいないよ」とは聞かされていましたが、実際行ってみたらゴリラどころかライオンも見かけず。ところどころには“以前は動物が居ました”的な雰囲気を漂す廃墟檻も・・・。ベルリン的なゆるさがこんなにも出ている施設(しかも入園料はけっこう高い)は他にはないのではと思います。
 古いままの建物なので、タイルの色の組み合わせなどオスタルジー<*2>がプンプン。スター的な動物は少ないけどトリとウシがやたら多くって、しかも至る所にちらばっている。例えばトラの施設なのにトラの檻と檻の間にはトリ・・・ちょっと歩くとまたトリの小屋・・・まただ・・・といった具合。それだけ種類が多いってことかなぁ。きっとこっちが見分けられていないだけなんでしょうね。。。クジャクとかは放し飼いで、その辺をのたのた歩いていました。

えらい怖い顔で描かれているコウモリのインフォメーション。ここだけさながらホラーハウス。子どもはこれ怖がるでしょー・・・

なにせ一種族ごとに与えられている土地がむちゃくちゃ広い。白クマ(2頭)には滝付きです

若者よりもじっちゃんばっちゃんの方が多かったような・・・こんなところでビールを飲んでいると、すっかり自分もベルリンに溶け込んだような気がしてきます

 旧西の動物園にあたるZoologischer Garten Berlinは、元中央駅のそばという賑やかな立地にあったり、クヌート(もう今は成長しきっていますが、シロクマのあかちゃんが大ブームになりました)の登場などで常に注目されてきた感がありますが、Tierparkはそんな恩恵などまったくないかんじ。独自路線で運営してきた骨太だけどやわ〜いかんじが漂っていました。動物をガンガン観て回るんじゃなくて、歩いてると時々動物と出会う・・・ぐらいのほのぼのしたところがベルリナーに愛されている理由なんじゃないかなぁと思います。


S子さんに撮ってもらった写真。眩しくてサングラスしているのでいいかななと思って載せてみました。なんのトリか分からないけど大きな奴と一緒に散歩

<*1> カーニバル・・・春のカーニバルとちょっと違って、今回は世界中から人が集まるベルリンならでは!世界各国の山車がパレードするカーニバルでした。い〜〜〜ろんな国の民族衣裳や音楽、そして食べ物が鑑賞できてすっごく楽しかったです。でもまた写真消しちゃった・・・ 
<*2> オスタルジー・・・オスト(東)とノスタルジーがミックスされた造語。旧東時代の製品や建物を愛好するブームを表す時よく使われます